耐震診断の結果、建物が耐震性に問題ありとなった場合は、早急に耐震補強工事または改築工事に取り組みましょう。
耐震補強工事の流れ
1. 耐震補強工法の選択
耐震診断の結果から、建物のどの部分が地震に対して弱いかが分かったので、その弱い部分をどのように補強するかを考えます。
補強工法にはさまざまなものがあります。
補強工法の例 / 鉄骨・鉄筋コンクリート造の場合

鉄骨ブレース
軽量で施工性がよく、広範な建物に適用でき、採光・換気・眺望を確保しやすい工法で、既存建築物の開口部に鉄骨ブレースを組み込んで、体力とねばり強さを向上させます。

鉄骨格子フレーム
格子状に組んだ鉄骨のデザインフレームを補強面に取り付けて耐震性を向上させる工法で、格子状の補強鉄骨が優れた耐力と靭性を発揮し、様々なタイプの建物の補強に適用できます。

外付け補強
建物外周部に補強部材の鉄骨ブレースを配置して耐力と剛性を向上させ、 最も容易に補強効果が得られる工法です。

炭素繊維巻き補強
高強度、軽量、耐食性に優れた炭素繊維の糸やシートを既存の柱に巻き付けて、構造物の耐震性を高める工法です。
補強工法の例 / 木造の場合

筋かいによる補強
壁に筋かいを設置することにより補強を行います。筋かいの端を金属製の専用金物で補強します。

面材による補強
構造用合板などの面材(板状のもの)を柱及び桁・土台に取り付けることにより補強します。

壁配置バランスの改善
壁は東西南北にバランス良く配置する必要があります。配置が偏っている場合には、壁を新設し、バランスの改善を行います。
床水平構面の補強
構造用合板や火打ち金物等により床水平構面の補強を行います。地震による床や屋根の変形を抑えます。

屋根の軽量化
瓦などの重い屋根葺き材を鉄板などの軽量な材料に葺き替え、建物への負担を減らします
減築
建物の一部を撤去して建物の重量を軽減します。同様の方法で平面の形状を整える場合もあります。

無筋コンクリート基礎の鉄筋補強
無筋(鉄筋が入っていない)基礎は弱いので、鉄筋コンクリートを添えて補強します。
基礎ひび割れ補修
基礎にひび割れがある場合は、ひび割れ部にエポキシ樹脂を注入し、補修します。
※どの工法を使うかは次のポイントに注意しながら、各施設の特性に配慮して決定しましょう。
- (1) 建物の使用性ができるだけ低下しないこと。
- (2) 建物の美観をできるだけ損なわないこと。
- (3) 確実に補強効果が得られる工法であること。
- (4) 補強工事費が合理的であること。
2. 耐震補強計画の策定
最適な補強工法を選択したら、建物の使用用途等に配慮した補強部材の配置計画を行います。
3. 耐震補強設計
補強設計図を作成するとともに、補強部材の設計を行います。
補強後の建物が耐震性を確保できるか再度確認をします。
4. 耐震補強工事
設計図書に基づいた補強工事を行います。

